まず、相手が不貞をした、相手が勝手に出ていったというような場合に、離婚の責任が相手にあるからと財産分与はやらないと言う方もおられます。しかし、本来、離婚の責任が相手に有る場合、その責任は慰謝料を請求して償ってもらうべきものです。
慰謝料を請求し、その上財産分与をしないということは、法律上はできないことになります。
(1)離婚の際の財産分与は、結婚してから夫婦が協力をしてなした財産が、原則として財産分与の対象になります。
ですから、結婚前からの預貯金や株、親の遺産、嫁入り道具等は財産分与の対象にはなりません。
最近は共働きの夫婦も多くなりましたが、お互いが働いているいないにかかわらず、婚姻生活中に得たものは財産分与の対象になります。もちろん、原則的に考えれば家のローン等も財産分与の対象となるわけです。
(2)財産分与の根拠は、「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」と規定している民法768条にあります。
(3)財産分与の2つ面
(a)婚姻生活中に夫婦の協力で蓄えた財産を、清算し分配してお互いの公平を図ること、過去の婚姻分担費用の清算が含まれることもあります。<清算面>
(b)離婚によって生活の不安をきたす側の配偶者を扶養して、その暮らしの維持をはかること。<扶養面>
もちろん、(a)の<清算面>が中心で、(b)の<扶養面>は補充的なものと考えられています。ですから、通常財産分与といえば、<清算面>から考えることになります。
(4)財産分与の額は、通常は婚姻期間が長ければ長いほど、その対象金額が高くなると考えられます。結婚5年以内であれば、夫婦が協力をしてなした財産といえば余り多くはないと考えられます。
これは、その家庭の収入というよりも、家なり、預貯金なり、という財産がいくらかということになります。たとえ高額の収入を得ていたとしても、すべて費消してしまっている場合には、財産はあまりないでしょう。
慰謝料を含む金額ですが、慰謝料+財産分与は300万円〜500万円が一番多いようです。しかし、その家庭の財産を分けるわけですから、慰謝料よりもバラエティーに富む金額になることは間違いがありません。
(5)どのようにして財産分与をするのか。
原則として、結婚してから夫婦協力をしてなしたなした財産が財産分与の対象になりますから、特に法律に規定はありませんが、その財産を半々に分けるというのが原則でしょう。
あとは、相手が同意すれば慰謝料の一部を財産分与に含めるとか、別居していた場合に婚姻分担費用を渡していなかったのでその分を財産分与に含めるとか、長年夫婦生活をしてきたケースであれば、その後の生活(扶養)の保証ということで多めに財産分与をするとか、その夫婦の事情により、話し合いで、または家裁の調停で、あるいは裁判で決めることになります。